第2話 深夜コンビニ遠征
深夜1時。田中がリュックを背負ってリビングに現れた。
「どこ行くの」
「コンビニ」
「なんで1時に」
「限定アイスが入荷する時間だから」田中は真顔だった。「お前も来る?」
断る理由もなかったので行くことにした。
コンビニまでの道を歩きながら、田中が言った。「規約第3条を追加したい。『深夜コンビニ遠征には原則同行する』」
「なんで原則なの」
「お互い体調不良の場合は除く。誠意的配慮として」
「その『誠意』はどこから来てるの」
「規約の精神から来てる」
コンビニに着くと、田中は冷凍ケースの前で5分間微動だにしなかった。メロンとマンゴーで迷っているらしかった。
「どっちも買えばいい」と言うと、「規約第4条を作る必要があるな」と言われた。
「どんな条文」
「『コンビニでは合計300円以内に収める』。金銭管理の規律として」
「それは誠意じゃなくてケチじゃないの」
田中は少し考えた後、「そうかもしれない」と言ってメロンを棚に戻した。
──(第3話へつづく)